子育てでイライラしたら?思い出したいたった一つのこと

子どもはかわいい。

でも、イライラする……。

・食べ物をこぼす

・飲み物をこぼす

・着替えを拒む

・転んで泣く

・オモチャを散らかす

・片付けたのに また散らかす

まだまだ小さいんだから仕方ないとは思う。

悪意がないこともわかっている。

だけど、こちらだって人間だ。

どう心を整えようとしても、
どう理性を働かせても、

毎日毎日、何度もされたら限界が来る。

しかも、今は集中したい仕事もある。

ただでさえ、心の余裕が無い。

なのに、そんな時なのに……

昼寝の時間に寝ない。

意味もなく泣きわめく。

「おい。もう いい加減に…………!」

と言いかけた時、ふと思った。

『あ。そうか……。
僕もこんな風に育ててもらったのか』

と。

そう。

僕の父と母も、同じように
イライラや葛藤を抱えながら、
僕のことを育ててくれたはずなのだ。

「僕が今感じてるイライラを、
 昔の父さんと母さんも感じてたんだ」

そう気づいた瞬間、
さっきまで抱えていたイライラが
一気に感謝に変わった。

目の前で泣いている1才半の娘は、
34年前の僕自身なのだ。

そして、泣く我が子を前にしながら、
戸惑いや苛立ちを感じている自分は、
34年前の父と母なのだ。

「父さんと母さんが、
どれだけの想いをして
僕のことを育ててくれたのか、
やっとわかった……」

父と母への言葉にならない感謝で
心がいっぱいになった。

まるで小さい頃の自分自身を
抱きしめるように、娘を抱きあげた。

あたたかった。

「そっか。
僕がこの子に感じるイライラは、
父さんと母さんが
僕に注いでくれた愛情の深さなんだ」

娘が、エヘヘと笑った。

そう考えれば、
日々、感じるイライラや葛藤は
悪いものでもないのかもしれない。

きっと、僕を育てるときに
両親も同じ気持ちを抱いていたから。

僕が娘に感じるイライラの大きさは、
僕が両親から注いでもらった
愛情の大きさなのだ。

「うおーーーー!
ごめんねーーーーーー
好きだーーーーーーーー!!!!」

叫びなら、
娘のほっぺをスリスリした。

イヤがられた。

僕の腕から降りて、部屋を駆け出す。

転ぶ。

泣く。

「ハァ……」

ため息をつきながら、
でも、これと同じことを
僕も両親に対してしたのだろう。

そう考えるともう、

感謝しかなくなる。

「父さん、母さん、ありがとう」

そう言いながら、娘を再び抱きあげた。

これからも、
もっともっとイライラしよう。

もっともっと悩もう。

そうするほどに、
両親が自分に対してかけてくれた
愛情の大きさと深さがわかるから。

自分自身が育ててもらったことの
有り難さがわかるから。

泣きやんだ娘は、いつの間にか
僕の腕の中で寝息を立てていた。

僕自身も、父と母の腕の中で
こんな風に寝息を立てたのだろうか。

「やっと……昼寝、した」

そう呟きながら、しばらく
彼女のぬくもりと
両親への感謝をかみ締めた。

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